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マーク・ダグラス 「ゾーン 相場心理学入門」 感想

最初バリュー投資を否定しだしたので、「なんだこいつチャーティストか!?」と思ったが、バリューとかテクニカルとかそういう話ではなく、マーケットに対する自分の心理状態をどう捉えるかという、ひたすらに自己省察の物語だった。とても有用だった。

 

・マーケットを自分の望み通りに動かすことはできず、我々にできることは自分の行動を変化させることだけである

・マーケットが自分の望み通りに動くとは限らないので、この先に起こることを知る必要はない

・マーケットを自分の望み通りに動かすことはできないので、結果に対して自虐や失望をする必要はない

・マーケットはその瞬間が唯一無二のものであり、その構成要素は参加している全てのトレーダーである

・参加するメンバーが入れ替わったり、他のトレーダーの心情や信念が変わるだけで、マーケットは変化する

・よってマーケットはその瞬間が唯一無二のものであり、二度と繰り返すことは無い

・つまり、マーケットではいかなることも起こりえる

・マーケットが自分の望み通りに動くとは限らず、いかなることも起こりえることを理解していれば、なぜ参加する前にリスクを決めておかないのか、なぜ機械的利食いのシステムを構築していないのか

・マーケットは常に連続した形で現れ、トレードに参加するのも、トレードを手仕舞うのも、トレーダー個人の認識に依存している

・マーケットの動きは確率として存在し、損失はマーケットに参加するための必要経費だと理解していれば、ひとつひとつのトレードがカジノでスロットマシーンのレバーを引くことと何ら変わりないことが理解できるはずだ

 

覚えているのはこれくらいだろうか。最初はテクニカル信者か!?と思ったが、なんてことはない、ただひたすらマーケットとトレーダー個人の心理状態との関係を省察する、マーケットとの向き合い方について教えてくれる、とてもよい書籍であった。

 

たとえどれだけ手を尽くしてもマーケットはお構いなしに確率で動くのだから、自分なりの優位性をもって淡々とやろうよ、というお話であった。